2017年12月28日木曜日

ピアノプロジェクション 3D改 - The Phantom of the Opera

久しぶりにピアノプロジェクションの演奏動画を作りました。



リアルタイムでカメラの位置を計測して動画の視点を追従させるシステムを導入し、昔作った 3D 錯視を改良してみました。思ったよりうまくいき、自分で眺めていても面白かったです。

原案は昔ラピュタの 3D 動画を作ったとき既にあったのですが、カメラの位置を正確・高速に測定するために色々機材を導入するのが面倒そうでやめました。
ですが最近別件で初めて OpenCV に触り、AR marker を試していたら簡単に位置計測が実現できそうだったので計画が始まりました。

ちょっと厄介だったのは計測結果が不安定なことで、誤差を抑えるフィルタを作ったりマーカーを2枚にしてエラー率を下げたり色々と対策を入れて安定化を図りました。
以下は開発中の様子で、静止したカメラ位置の計測結果を出力したものです。紫が座標の計測値で黄色がフィルタをかけた後です。多少安定化していますが z 方向はそれでも対応できないくらい荒れています。その後対策を改善して安定化しました。


結局位置計測システムは家にあった Web カメラと木材の切れ端だけで作れたので、今回の製作費はマーカー印刷代の50円くらいです。(我が家にプリンタがあったらゼロだったかも…)


既におまけのような感じのピアノ演奏ですが、今回は友人に撮影してもらったためこれまでのように何日もかけて撮りなおせないのが苦しいところです。いつもより練習してから撮影しましたが緊張しました。
オペラ座の怪人は大学時代にロンドンの劇場で見て以来愛してやまない作品で、作品中の曲は他にもよく弾いています。今回は迷いましたが一番有名そうな曲にしました。
肉声の歌のすばらしさは到底表現できませんが、動画前半の黄色と青の光の演出は女声と男声に対応させたイメージにしています。


と、苦労話をいくつか書きましたが、それらよりも何よりも圧倒的に大変だったのはデザインの地味な作りこみです。製作期間全体の8割くらいは曲に合わせたデザインを構想して実装したり動きや色の調整を繰り返す作業でした。今回は映像が面白くなりそうだったのであまり妥協せず、作ってからボツにしたパターンも何種類かあります。以下は攻撃力が高すぎてボツにしたパターンの例です。これはこれで別の曲なら…


久しぶりの動画ということでわりと細部にこだわり、ダラダラ4ヶ月くらい作っていました。あわよくばインフルエンサーの目に留まって拡散されることを願いつつ…